<自分で 気づく/築く 可能性>


第9号[~潜入!キッカケプロデュース~]

2015年10月20日 15:49

キッカケプロデュース(以下キッカケ)に含まれる「BEAT」と「ROLMO」、2つのチームについての 取材に答えて下さった世羅侑未さんの全インタビュー内容を、対談形式でお届けします!

 

世羅侑未さん全インタビュー

はるな(&YOUメンバー、以下H):「BEAT」と「ROLMO」の基本情報を教えて下さい。

世羅さん(以下S):「BEAT」と「ROLMO」も「人との出会い」を大事にしてるんだけど、出会いの種類が少しだけ違って。 BEATは今80人くらいかな。ROLMOは40人くらいで活動してる。 ROMLOは雑誌制作と、あと「ROLMOカフェ」っていって、雑誌に載るようなすごい人と、30人の学生とで講演会プラス交流会のようなものをやってる。 「ROLMO」の由来にもなってる「ROLE MODEL」にしたくなる人との出会いによって刺激をもらったり、視野を広げるっていうのがROLMOだね。 BEATは「チームで1つのことを達成する」っていうコンテンツを大事にしてて。だからイベントを大事にしてるの。 イベントで出会ったスタッフと参加者と参加者同士には、それぞれ違いがあるわけじゃん?で、一緒に仲間としてひとつのこと 達成しようってなった時にそれぞれの役割ってなんだろうっていうのをすごく考えるの。BEATのスタッフの場合だと、ひとつのイベントを作ろうとしたときに、「自分はMC、しゃべりでは絶対負けません」とか。イベントに関してだけじゃなくても、「チームの悩み事を聞いてあげる係です」とか。 そうやって自分がこのチームの中で自分は何が他の人より出来るんだろうってことをすごく考える出会いなの。

H:BEATのスタッフは自分の特性を生かしたイベントを作っていくの?
 

:そうそう。だからBEATのスタッフは、自分の強みをすごくよくわかってるし、それをすごくよく活かしてるのね。 「自分はこれが強みだからそれを持って、この団体をよくしたい」と思ってやってるからこそすごく輝いていて、 イベントに来た人はそんなスタッフを見て影響を受けてくれる。正直いろんな楽しいコンテンツがあるんだけど、 1番のコンテンツは人。イベントの参加者にはうちらスタッフに会ってもらうことが結構目的だね。
 

H:「強み」は団体に入ってから自分で考えて見つけていくの?それともみんなで考える場があるの?
 

:すごいある。ミーティング中に考える場をとるよ。ミーティングではイベントのコンテンツを決めたりもするけどそれだけじゃなくて。 今、実際に春合宿に向かっていってるけど、「自分はほんとうにこの団体に入ったときにやりたいと思ったことができてますか?」とか 「自分だからこそ出せるものを出せてますか?」とか、そういうことをみんなで考る時間もちゃんと持つね。 あとは、会社でいう人事みたいな感じで、組織の団結を強めたりとか、新人を教育する部門があるの。新しく入ったスタッフは輝いてるスタッフを見て、 自分との差を感じちゃうのね。「新しく入った自分てここに必要なのかな?」みたいな。みんなキャラ濃くて、ばりばりできてリーダーシップもあって。 リーダーシップがなくてもサポートシップの人はそれを発揮してて。それに比べて「自分て何ができるんだろう」って。 そう悩んだスタッフに「こういう風に考えるんだよ」って教えてるのがその部門。文化としてやってるね。
 

H:イベントの参加者は自分たちスタッフがきっかけとなって成長してほしいという思いがあるの?
 

:そうそう。イベントが終わるごとに、そのイベントに参加した1割ちょっと、2割ぐらいの人はうちの団体に入ってきたりするスタッフに憧れてこんな風になりたいっていって入ってくる子もいるし。あとね、入ってくる子で多いのは現スタッフの中学高校のときの友達が多くて。 「あんなにヤンキーだった子がなんでこんななったの?あたしもこうなりたい」って入ってくる子が現に多いの。
 

H:団体入って変わった人が多いから?
 

:そうそう。「内向きで人に心を開かなかったようなあいつが最近会ったらすごいかわってて。だから興味を持った」みたいな。 成人式で久しぶりに会って変わってて、「お前何やってんの?」って聞いて入ってきた子もいて。 やっぱりスタッフがコンテンツですって言えるくらいに、スタッフの変わり様を見て入ってくる子が多いかな。たぶん堂々としてくるんだろうね。
 

H:踏み出すことって難しいけど、変わるんだ。
 

:リーダーをやる機会が多い組織体制にしてるっていうのもある。キッカケの特徴として、1つのイベントの1番トップに立つのは必ず2人以上。 トップの下にチームリーダーが就いてって感じかな。 あたしは1年生の時すぐ入ってて、今は2年目で。今はサポーターみたいな感じなんだけど、1年半やったときはいろんなリーダーに就いたかな。 10コくらい。なんとかリーダーってポジションはたくさんあるから、やる気さえあればすぐにリーダーになれるよ。 最初からリーダーとかいけないですって人は、リーダーの下から始めたりもするし。 1人だとほんとに折れちゃうとか、やらなかったりとかするけど、2人いるとお互い監視できるし励まし合いもできる。 そういう意味でもリーダーが2人以上ってすごくいいの。

H:キッカケの創設時について教えてください。
 

:生田さんって人が創設者で、上に付いてる会社の社長の人なんだけど。生田さんが社会人になったときに、 「学生の手で学生の支援をしたい」って言ってて。なんでかっていうと、やってる側のほうが成長って大きいじゃん? 読む側、参加する側も刺激を受けるけど。だから相乗効果になるって考えたの。 キッカケができて今が7年目(2011年12月現在)。次の春が終わると次8年目に突入するから7年目の後半って感じ。 スタッフが100人に達したのは2年前だから5年目ぐらいにやっと100人規模の組織になったね。 最初はね、コミュニケーションセミナーとかキッカケスクールをやってたらしいんだけど、それがどんどん 「体験型にしようよ」、「遊びと学びかけちゃおうよ」みたいな。「ただただ聞くだけじゃつまんなくね?」ってなって交流会やったりとか、 交流会の中にセミナー混ぜたりとか、遊びの中にセミナー混ぜたりとかするようになってきて。今度は「合宿しようよ」ってなって。 生田さんて脳科学とか心理学の知識がものすごくある人で、泊まって夜に語り合う時間がすごく大事だって。

H:脳科学的にいい?

:そう。脳科学的にいいらしくて。それぐらいしっかり語り合うことがいいから、じゃあ合宿型やろうっていって。 合宿を初めて2泊3日でやったのが「もうちょっとのばしたくね?」ってなって1週間とか。
 

H:組織体制の更新について教えて下さい。
 

: 半年間がキッカケの1期、1つの代なんだけど、1期ごとに更新をしていくよ。半年経つと新しくなった幹部と、 今までの幹部が話し合って組織体制を変えていくの。スクラップアンドビルドで削って、1コ削って1コ増やしてとかそんな感じ。 組織力が付いていくからいろいろ出来るようになるんだけど、あまりにいろんなことに手を出し過ぎると 「この団体結局何やりたいんだっけ?」ってなっちゃうから、これからもっとシンプルに絞るかも知れない。
 

H:今のとこ、みんなビジョンとかミッションは理解してるの?
 

:ぎりぎりかな。だからそろそろ変えた方がいいかなと思ってるんだけど。今までは学生団体ってそんなに知られてなかったのね。 そんなに知られてなかったときってほんとに限られた人が入ってたんだけど、だんだん知られてくるといろんな人が入って来れちゃう。 だからよりシンプルにしないと、その目的とか分散しちゃうんだよね。今はもともと目的持って入ってくるってよりも、 学校だけじゃつまんなくなって入ってきて、入ってから目的とか持つ人が多いの。だからいろいろやってると 「結局何やってるんだ?」ってなっちゃう。そういったこともシンプルの方が良いのかなって話をしてる理由だね。
 

H:スタッフの80人のことは1人ひとりわかる?
 

Y:わかる。あたし代表やってたんだけど、100人とかまでなら。あたしも思ったの100人1人ひとりと話すのは無理かなって。 だからちゃんと体制整えて、わたしはリーダーと話をして、リーダーが下の子とちゃんと話をしてくれるようにって考えてたんだけど、 100人は1対1で接せられるよ。100人が限界かなと思うけど、100人は見ようと思ったら見れる数。
 

H:今の代表の人は?
 

:キッカケの良いところは年功序列がなくって、ほんとに実力主義で何年でも代表ができるの。でも今はね、実は代表が立たなくて。 そうことが過去にも1回あって。その時は共同代表みたいにやってたね。今回は中心を張ってたメンバーがごっそり、 就活でこの夏に抜けちゃったの。たまたまトップを張ってた子たちがあたし以外みんな3年生だったから。キッカケのいいとこって、 どんどんリーダーを譲ってけるとこだし、1回代表やったら、その後は割と簡単にリーダーシップがはれてしまう。 「みんなついて行きます」ってなっちゃう。それはすごいよくないなと思って降りたのね。そしたら、 新人ばっかりだったから代表に名乗り出る子がいなくて。キッカケとしても代表の基準を下げたくないから、いないならしょうがないってなって。 あたしはがっつりサポートする予定ではなかったんだけど、代表が立たないってことでサポートをしようと。 理想は1年生や2年生が代表になって、もう1年見れる、サポートできるっていう環境かな。
 

H:大きな組織だと人間関係が複雑そうだけど…?
 

:そうだね。こんだけ人数が多いからいろいろあるけど、割と少ない方だね。解決に対してちゃんと向き合う人が多いからかな? うちらの文化で、ちゃんとその人を尊重するっていう文化があるの。まず意見を言ったことに対する承認があるし、 意見を言ってくれてありがとうだし、意見に関してはちゃんと「フィードバックカード」があって、フィードバックをちゃんとしてあげる。 「あなたの意見に対してもうちょっとこうした方がいいと思うよ」って書いたり。ありがとうタイムっていって 「ありがとうカード」を書く時間も取ってるのね。ミーティング後に必ずありがとうカードを書くの。 「こういうことしてくれてありがとう」とか、日頃なかなかいえないことを書くの。3つカードあるんだけど、 「ストーリーカード」っていうのがラストにあって、80人の組織でほんとにみんなで繋がろうってなったときに、 3,4人とかだと細かいところに気付けるじゃん?でも80人だと全然わかんないじゃん?だからそれぞれのプロジェクトで 近くで見てた人がこの団体でおっきくは目立ってないけど、「この人が実はこんなことしてくれてたんだよ」みたいなの書いて、 それをストーリーカード係に提出するのね。そしたらその人が冊子にしてくれるの。みんなが「ヒーロー○○」って書いて、 「この人、こんなことしてくれてましたよ」、「この人がこんなことしてましたよ」って。 その文化があるからおっきないざこざは起こらないし起こっても真正面からぶつかる人が多いかな。

H:「デッカ」いことを「オモシロ」く「マタタクマ」に、って掲げてるよね?でっかいことをする理由ってなんなんだろう?

:なんだろうね。単純に規模が大きいとそれだけそのイベントにきた参加者の感動に繋がるじゃん? 大学生で大きな、泣いちゃうほどの感動って得る機会がない。「せっかく心に響くようなことをやるなら でっかいことをじゃないとイベントなんてやる理由ないよね」、くらいの意気込み。前は「ツリーハウスの建設」っていうのを7泊8日の合宿でやって、 今はちゃんとした宿泊施設になってるの。あれを木材からコンコンするとこからやって。全部は出来ないからできるとこまでやるんだけど、 その創設費が4000万円かかるのね。それをなんとか学生の力で交渉してタダにしてもらってやったの。 「4000万円、学生で無理じゃん?」って思うけど、その「無理じゃん?」を突破したい。 「できる、できない、じゃなくて、なるやらないだ」っていうことを発信したい。

H:やりたいことがあれば飛び込むことが必要?

:そうそう。それが学生の勇気に繋がるし、きてもらった人の感動に繋がるし、誇りになるじゃん。 このツリーハウス立てたんだぜってすごい誇りになるじゃん?そういう経験を持ってるだけで就活で語れたりとか。

H:でかいことしたらその分いろんな人に出会える機会も増えるね。

:そうだね。結局価値を発信したいっていっても気付かれなかったら、やってること気付かれなかったら自己満で終わっちゃうわけ。 少しは繋がってるけど、でもちゃんと社会におっきなムーブメントとして見てもらいたい。 「あーそういうことやってるんだ」ってわかってもらえるところまで。ROLMOも10部しか発行しなかったら全然意味ないじゃん?だからたくさん数をまくとか。 成果がでるところまでやろうってね。

H:色んな人に出会ってきてどんな影響を受けた?

:私はね、最終的には人との出会いによって「自分が固まる」って思ってて。 人と出会うことによっていろんな自分とまったく違う価値観持ったりとか、まったく違う考え持ってたり、全く違う方向目指してたり。 同じリーダーでも全然違うリーダーシップだったりするわけ。で、それみて「違う」ってことにまず刺激って絶対あるじゃん? 「違うんだ」、「あ、そういうのもあるんだ」みたいな。あたしはまずそこに感動があるんだ。あたしってすごく人に出会うと感動しちゃうんだ。 言葉にするの下手な人なんだけど、その人その人が持ってるものってほんとに違うと思ってて。違うものを発してるのがおもしろくて。 そんで、その自分に無かった「違うもの」を自分に取り入れるかどうかを考えるのね。 「いいな」と思ったら取り入れて、逆に「違うな、うん、やっぱこっちが自分だ」って思っても、そう自分で選択することで自分のモットーとか信念みたいなものが確立されていく。 いろいろ考えて必ずその人に出会った後は、出会う前と違った、出会った後に出す答えがあってある思う。 最初はさ、あたしもあったけど、人と会うことによって自分がぶれていったりとか、そういう人もいると思うの。 「あれもいいな、これもいいな」って。でもちゃんと1回1回答えさえ出していけば固まっていくものだと思ってる。 だから出会いによって一見、自分って広がるようで、広がったからこその硬くなるって思ってる。

H:ただ出会ったってだけじゃダメなの?

:そうだね。そこから考えて自分で考えて答えを出す。「自分はこうだ」って。もともとそういうタイプってのも確かにあるかもしんない。

H:意見が違った時って、違いを受け入れるのか、「それもありだな」って正解不正解は作らない?

:そうなんだよね。私は純粋に面白いと思っちゃう。「そうなんだー」が多い。全然いやじゃないし、 「へー」みたいな。自分と違う人でいてほしいし、それが面白いし、そういう人たちと仲間になって面白いものが生まれるし。 私はそういうことを伝えていきたい人なの、生涯。なんでかってわからないけど、変な性質かもしんないけど、違いがほんとにおもしろいの。 すごい好きなの、人が。その人が自分と違うほど面白い。 ミーティングをしても噛み合わない方がおもしろいの。まとなんないけどおもしろいの。楽しめるの。「全然合わないね、どうする?」みたいな。 「でもさ、おもしろいよね。合わせたら絶対おもしろいの生まれるよね」とか。ずっとミーティングもそうやってきた人だし。

H:結局まとまるの?

:まとまる。毎回思うんだよ。今まで自分は全部それで一つ、それぞれが出した意見よりも絶対にいいものを生んでる自信が、実際にそういう経験があるから。

H:まんなかの妥協案でなくて、またさらに?

:そう。絶対に妥協案はださないの。今日もね、思いの強い3人で会議をしてきたんだけど、ずーっと。 「今、ちょっと待って」が多くてすっごい時間かかるし、大変なんだけど、最後は絶対に統合案が生まれるんだよ。 自分でも確かに「ほんとに?」って、「100発100中そうなの?」って思うんだけど、自分の過去はそうだから。見たいんだよね。 違う意見同士がシェアされたのがみたいんだよ。やっぱうちの団体でもそうやって考えられる人ってそんなに多い訳じゃないし、 意見違ったら「チッ」てなるし。でもあたしはそのよさに気付いたらいいのになって思う。 実際、1個エピソードあるんだけど。MCをね3人でやってたのね。200人のMC、司会進行役を3人でやったんだけど、 その3人でミーティングするとタイプが違っておもしろいの。あたしは結構、団体の代表やってたから、意見を活かして1つのことを決めていくのがうまいのね。 いいとこでふったりするのがうまくて。頼るのがうまいのね。自立はそんなにできてなくて、1人で何かを決めることは下手だったりするの。 でもチームになった時に活かすのはすごいうまいから、だからみんなの力を使って決めていける。 でも、もう1人の子は、ものすごい感覚人間なの。「それは違う」って事だけ言えるんだけど、「どう違うか」とか、 「どうすればいいか」とか言えないの。でもその子の感覚は素直だし、敏感だし、頼りがいがあるの。 だから、「それじゃあ参加者は満足しない」、とかいうんだけど、「何が?」っていうとなかなか出てこないし、 「どうしたらいいの?」って言ってもなかなか出てこない。けど確かにいい感覚をもってるの。 もう一人はね、感覚とか新しいアイディアとかすごい苦手なんだけど、現実化がすごいの。 「とりあえず今ある知識で決めちゃうよ」っていうのが得意なの。

H:ばらばらだね。

:あたしは結構アイディアマンで、「これはどうこれはどう?」が得意。 全然違う3人が一見さ、それ楽しめなかったら、「お前違う違う言ってなんだよ」、「逆にあるものでしか考えないわけ?」 そういう感じなんだけど、みんな楽しんでるからこそ、話しててとりあえずテンションだけあがってって。 もう一人の人が、「いや、だからこうやればいいんじゃない?」「いやそれは違う」みたいな。 「なるほどなるほど。じゃあ何が違う?頑張って言葉にしてよ」とか言って。頑張って言葉にしてもらって、 「それってさ、こういうこと?」みたいな。それを踏まえてすぐ作ってくれる、案をね。具体案を作ってくれる。 具体案ばーっとだして、「うーん…でもさっきよりいいかも」みたいな。感覚マン、実践マン、テンションあげマンみたいな。 それがすごく楽しくて。楽しめるかどうかって良いもの生めるかどうかに関わってくるって思ってるし、 あたしはそういうのがすごい好き。

H:おんなじタイプの人が集まってもうまくいかない?

:そうだね。違うからこそ面白い。同じように見えても絶対違うしね。

 

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